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感染制御認定更新 1浪にて合格

一昨年9月、感染制御認定薬剤師の更新が不認定となり、
ようやく2020年度にリベンジの時がやってきたと思ったら、
コロナ禍の影響で認定審査業務が延々延期になり、
やっと、審査結果が送られてきた。

結果は、1浪の末合格。再度認定を取得できた。
遡って2020年の10月1日からの認定となった。

さて、昨年12月に認定申請をしたとき、
身を引き締めるために10症例をブログに晒していたが、
晴れて、この内容で認定されたと報告することができた。
臨床試験をUMINに登録してから結果を開示する手続きと同じだ。
ネガティブデータも公開できるように。今回はネガティブにならずに済んでよかった。

そんな一安心も束の間、1浪したおかげで
今年、がん薬物療法認定の更新がやってくる。
例年だと7月ごろに通達が発出されて、8月頭に締め切りとかってなってた気がする。
もう症例集めを始めておかないと。さらに同僚2人も同時に更新なので、
症例のバッティングが起こらないようにしなければ。
今年度の認定更新も一波乱も二波乱もありそうだ。

それにしても報告症例は何症例なんだろうか。
昨年は25症例のうち厳選した15例を記載せよってなっていたという噂。
今年は厳選した10症例にならないか期待をしている。
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メディア・医療者・政治の科学コミュニケーション

精神科医の齋藤環先生が答えたインタビュー記事が昨日紹介されていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f8bb85aab73c899bedf2da34f8d5cc2e8aa3bbe
最近のメディアの科学/リスクコミュニケーションに対して私自身が漠然と思っていた不全感をかなり代弁してくれている気がして、メモも兼ねて備忘録的にブログに残しておきたい。

日本のマスメディアは、あまり公的な使命を果たすという意識が乏しいのかなと思わざるを得ないです。どちらかと言えば、人々に共感されたいという願いの方が強くて、「共感性」という観点で見ると「反ワクチン」の方が共感を呼ぶ。
▷社会の木鐸なんて気持ちはさらさらなくて、結局大衆やスポンサーの方向を向く傾向を顕著に感じる。

ワクチンの評価は科学的になされるべきで、「うちたいと思うかどうか」みたいな情緒的反応に情報価値はありません。日本特有の茶番的な現象です。
▷これもまったく同意見。そんなことに時間を割くより、ワクチンの現時点での科学的にわかっている正確な情報を紹介してほしい。

メディアがどちらの方を向いているかだと思います。一つ言えることは、日本は同調圧力が強い社会です。なぜかわかりませんが、日本のメディアは同調圧力を作り出す側に回りたがる傾向がある。
▷メディア自身の影響力を実感するために、要するにオナニープレイをしているだけなのかもしれない。

医療にゼロリスクを求めること自体が誤りなのですが、コメンテーターの「長期的に見て何が起こるかわからない」的な発言は、「ゼロリスクを保証しろ」という悪魔の証明じみた有害なコメントでしかないと思います。そういう人に限って抗ウイルス薬に期待していたりするのもおかしな話です。
▷臨床現場でも同じだ。「〇〇の可能性も否定できない」という言説は100%正しいが、一歩も前に進むことができない無意味な事柄だ。岩田健太郎の言う「どの程度の可能性があるのか?」という重み付けをするだけでも少しは違ってくるだろう。

医療者の傲慢が人々から信頼されにくい状況を作ってしまっています。非常に高圧的だったり、権威的だったり、すごく偉そうに見えたりして、そこで傷つく人がいっぱいいるわけです。その結果、近藤誠さんのような既存の医療を否定する言説に引き寄せられてしまうのですね。
▷医療者の発信するコミュニケーションにも反省点があると言うこと。もう少し患者や家族に寄り添うコミュニケーションが求められるということか。言うは易し行うは難し。

誠実に説明をし続ける姿勢があれば、人々の不安もかなり和らぐし、たとえ政策が失敗し感染が拡大しても簡単に支持率は下がらない。むしろ上がるという事例がこれほど世界中にあるのに、日本の政府は真逆の方針をとりました。菅首相はディスコミュニケーションが芸風になっているような人です。それが今回は裏目に出ましたね。生粋の参謀役が総理になったら何が起きるかという「社会実験」はそろそろ答えが出たと言えそうです。
▷これは菅総理への皮肉100%。笑ってしまったが、これが我が国唯一の総理大臣であることを考えると全く笑えない。もう少しだけ温かみがあり、もう少しだけマシな政治家はいないのだろうか。
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新型コロナウイルス変異株

1/8に緊急事態宣言が発出され、東京都を中心に
地域限定的に飲食店を中心とした制限がなされることになった。

この発出に前後して、イギリスや南アフリカから変異株の検出報告が相次ぎ、
感染力が70%増など、心配になる情報が現れてきた。

ワクチンの有効性にも悪影響が心配される事態で、
今後のワクチンに依存した収束計画をを再び混沌に陥れかねない状況かもしれない。

まだ情報が少ない上、未確定な段階であれこれ言えないが、
日本の報道では、「日本のどこそこで変異株が発見された!水際対策を!」
みたいな調子が目につくが、
そもそも、現在毎日全国6−7千人の陽性者が発生している。
その1割程度しか遺伝子解析がなされていない状況では、
国内にすでに伝播していないと言えない状況かと。

であれば、すでに水際対策を!と言っていても遅きに失している。
未知のウイルス対策であるので、ある程度は対策が後手になるのは仕方がないが、
もう少し想像力を働かせて先回りした予防線を張る工夫を、
そろそろやってもいいのではないかと、素人目にも思ってしまう。

そんな中、当院でも入院時スクリーニングですり抜けて、
院内発症するコロナ陽性例が散発し、接触者PCRを何十人単位で実施する状況に。
幸いスタッフへの感染例は今回の事例では見つからなくて一安心したが、
すでに市中への感染者がかなりの割合で進行していることが感じられた。
戸田中央の事例、明日は我が身と思う。
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再び緊急事態宣言!?

1都3県の首長が国に対し、緊急事態宣言の発出を要請したことを受け、
どうやら政府は地域限定的に緊急事態宣言を出すことを検討するらしい。
年末に1300人を超える新規患者を数え、
医療機関が休みのはずの3が日も連日800人規模。
確かに慌てる気持ちもわかるが、煽るマスコミもどうなのだろうか。

堅実な対策を立てたとしても、そこから10日くらい経過しないと
新規患者は減少してこない。(西浦さんが言ってたでしょう)
勝負の3週間とは言いつつ、ほぼ無策の年末、
逆に減少する要素が見当たらない。これは予想通りの結果なのだと。
まずは、これを受け止めることがスタートラインだと思うのだが。

コロナ禍が始まって1年も経つというのに、今だに浮き足立っている。
別に、このブログで政府に提言という気はさらさらないが、
気になることを書いておこうと思う。
政府や自治体の首長は、新型コロナ感染症のモニタリング項目の
どの項目が、「具体的にどうなったら〇〇を検討する」とか、
「数値がどうなったら〇〇を要請する」などの、目安を発信しないのだろうか。
有識者も、その数値基準なり、考える目安を政治家に伝えないのだろうか。
1000人超えたから流石にヤバそうだからとか、完全に場当たり的な、
その場の雰囲気で意思決定を誘うような有様だ。

お願いや要請は、結局責任を国民に転嫁しているだけだと、
今日のNHKニュースで塩野七生が言っていたが、まったくその通りだと思う。
しかし、責任の一端は行動している国民にあるのは確かだとも思う。

要請するにしても、「数値がこうなったからこの要請をする」
などの、国民が注視できるメルクマールを提示しておかないのはフェアではない。
これは完全に後出しジャンケンである。
しわ寄せを食う人からの反発が常に起こってしまうだろう。
この「数値基準」はかつての大阪モデルを彷彿とさせるが、
イメージはだいたいそんな感じである。しかし、絶対基準ではなく目安、
そして複合的に判断するように運用にも柔軟性を持たせておかないと、
1000人超えた!→飲食店は8時までだ!
のように原理主義的な「基準警察」の横行を許すだけである。

このような「モニタリング項目の数値基準の目安」と
「その基準になった時の規制の例」を予め提示しておくことは
国民の段階的な行動制限に寄与するのではないかと考えている。
きっと、頭の良い人はもっといい案を考えても良さそうだが、
いつまで経ってもそんな気配は無いようである。
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Book of the Year 2020

恒例のbook of the Yearだが、
今年の仕事の本部門はもちろん
「レジデントのための感染症診療マニュアル 4th」である。
青木眞によるいわゆる「マニュアル」である。
感染症診療に迷うたびに「青木眞は何て言っているか?」
の問いとともにこの本を繙いてる。
昨月の末に発売されたばかりであるが、
すでに仕事机の一番手に取りやすい場所に陣取っている。
これからもASTには欠かせない教科書として活用するつもりである。

さて、仕事の本以外の本部門であるが、
「大地」としたい。パールバック著作の大地である。
大地.jpeg
今年発売の本であればすでに書評を書いた落合淳志の「漢字の構造」で決まりであるが、
やはり、この年になってようやく、じっくり大河小説が
身に沁みて面白く感じてきたことを実感した本を選びたいと思った。
写真はいわゆるグリーン版(河出書房)である。
古典をよむにあたってはもっともコストパフォーマンスが良い
と思われるのがこのグリーン版だと思っている。
確か、この2冊、神保町で100円で手に入れた。
手ごろなサイズで二段組で読みやすい。
他の古典もできればグリーン版を手に入れたいと思っている。

話はそれたが、この大地、王一族を三代にわたって書き綴った大河小説。
当時の中国の風土や文化をまざまざと感じさせる表現に、
面白さを感じるとともにロマンを感じ、当時に想いを馳せた。
そんなに大昔ではない、手の届く範囲の過去。
例えば我が祖父祖母が体験していても
そんなにおかしくはない時代の話である。
ただ「そんなもんか」と思わせないストーリーの展開と、
魅力的な登場人物(特に女性陣)が、長い話にもかかわらず引き込まれる。

さらに「大地」は中国が舞台であるので、
どうしても山崎豊子の「大地の子」を思い出さずにはいられない。
「大地の子」育った地に還ってくる話、涙なしには読めない話。
この大地の子もあわせて読みたくなる。
最近の新聞のコラムに書いてあった表現を借りて言えば、
「2020年に後悔することは、大地を20代までに読まなかったこと。
読んでいればまた違った人生を味わえただろうと思う。」
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関東ブロック学術大会の単位シール発送作業done

昨日・本日と認定単位シール発送作業をおこなった。
今年の10月末から実施された関東ブロック学術大会、
初めてのオンライン開催となり、視聴した参加者に対して、
それぞれの参加講座に対応したシールを取り揃えて発送するという、
想像するだけでもおぞましい作業を、
今年の当番県である東京都病院薬剤師会が担っておこなった。

3000名を超えるシール希望者があり、
それぞれ参加者ごとに参加講座が異なり、シール1枚から50枚越えの猛者までいた。
それぞれに対応した番号の日病薬シールを取りまとめ、
ビックリマンシールのコレクター用ファイルに入れていった。

東京都病院薬剤師会の部会メンバーから協力者を募り、
コロナで集会に参加できない人もいる中、
30名ほどの仕分け人が集まった。

皆さんの協力と素晴らしいアイデアと動きで、予定の時間を大きく下回り、
無事に終了した。来たる火曜日に発送とのことなので、
今週中には参加者の手元に届くだろう。
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来年の手帳へ移植開始

来年の手帳は例年通りほぼ日手帳weeksホワイトラインで決まり。
そして、来年からは新たに5年手帳を始めてみることにした。
来年のほぼ日手帳.jpeg

日記なんてつけたこともないし、長続きしなそうで不安もあるが、
コロナ禍の巣籠もり時間の増加に期待して、
この時代の変動を少しでも記録しておこうかと、
そんな気軽な気持ちで始めてみようかと思った。

ほぼ日手帳のラインナップに5年手帳が現れて、従来少し気になっていた。
来年は2021年、キリの良さそうな年から始めてみようかと思った次第である。
電子媒体に押され気味の手帳類であるが、家族のスケジュール共有アプリとは別の
マイスケジュールを手書きで管理するのも、
落ち着いて仕事をすることのできる、一つの方法な気もしている。
2021年はコロナが落ち着かない可能性が高いが、
浮き足立つ世間には流されないように、自身は地に足つけて生活していこうかと思う。
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感染制御認定薬剤師更新申請

延期となっていた2020年の感染制御認定薬剤師の更新申請、
12/2が振り込み期限となっており、ここまで引っ張ってきたが、
本日症例のアップロードをおこない、認定料の払い込みを済ませた。

明日、振り込み確認票を添付して申請書類が完成、送付する予定である。
さて、今年は認定更新take2である。昨年、症例で不認定となっていたのでした。
不認定理由は下線の引き忘れ、および菌名の不記載がある症例があったとのこと。
今年はそんなミスのないようにしっかり見たつもりであるが・・・。

今のところ合格か不合格かはわからないが、
今後の検討ために症例をここに載せておくことにする。

①申請者は広域抗菌薬の使用量推移・継続日数サーベイランスを病院感染対策委員会にて報告している。2020年4月以降は診療報酬改定に応じて対象薬剤にCAZ、CFPM、PIPC/TAZを追加し、緑膿菌に対する薬剤のモニタリングを強化した。対象抗菌薬の使用量が増加している医師、診療科に対してフィードバックをし、場合によっては個別の症例に対してコンサルテーションを受け、抗菌薬適正使用を促している。その結果年間を通じてカルバペネム系抗菌薬のAUD(1000患者日あたり)が35〜40付近で推移し、大きく増加することなく経過し、広域抗菌薬の乱用を防いでいると考える。(業務内容①)

②申請者はASTの活動として毎朝血液培養陽性患者のカンファレンスに参加している。そこで特にグラム陽性球菌陽性となった症例の初期対応において、VCMの投与、フォローの血液培養の提出、MSSAだった場合のde-escalationの実施など、血液培養陽性バンドルの実施を進言し、不十分な対応に対して主治医へ適正化を促している。同時にVCMの投与が検討された場合は投与開始にあたっての初期投与量を提案し、適切な治療のサポートをおこなっている。全ての事例で提案が受け入れられ、抗菌薬適正使用支援につながったと考える。(業務内容①)

③ICT活動において厨房の環境ラウンドをおこなった際、厨房出入口近くの手洗い用石鹸が水道備え付けの継ぎ足し式のサーバーであることを発見した。衛生的ではないので使い捨ての足踏みポンプ式に変更を提案し、受け入れられた。さらに手洗い場にあった爪洗い用のブラシも消毒して使い回す方式だったものをディスポーザブルに替えることを提案し、受け入れられた。また、手洗い場の足元に除菌のための紫外線ランプが設置されていたが、清掃の邪魔になり、かつ効果も不明確なので撤去を促し、この提案も受け入れられ、環境衛生向上に貢献した。(業務内容②)

④74歳男性の症例。心不全治療中39.5度の発熱を呈し、血液培養提出、MEPM1g×3回が開始となった。血培よりGPC検出、VCMへ変更となった際、申請者はVCMの初期投与設計をおこなった。体重55kgにて1500mgをローディング、維持量は1000mgを12時間ごとに投与することを提案し、推定トラフ値は18μg/mLと予測した。主治医に受け入れられ、投与開始となった。主治医は発熱原因としてカテーテル関連血流感染症を疑ったとのことから、申請者は末梢ラインの交換を提案し、受け入れられたものの、刺入部に異常なし、カテ先培養は陰性だった。2日目にGPCがMRSAと判明し、VCM継続となった。3日目にTDMをおこなうも、5.5μg/mLと治療域に達していなかった。当初に比べ腎機能も推定CCRで70mL/minから40mL/minへと悪化していたため、腎機能が変動している病態での血中濃度の治療域維持が困難と判断し、肺がフォーカスではないことを主治医と確認し、この症例の腎機能での投与量調節が不要であるDAP(350mg)への変更を提案した。心エコーにて感染性心内膜炎が否定され、再度感染源検索のため全身CTを撮影し、腸腰筋膿瘍が見つかった。その後膿瘍のドレナージしながらDAPを15日間継続、ST合剤の内服へと切り替わり、軽快終了した。(業務内容③)

⑤25歳女性、扁桃の腫れと咳嗽を訴えて近医受診し、CFPN-PI 100mg x3回/dayの処方を受けるも改善せず、当院受診。市中肺炎の診断にてCTRX 2g/day、AZM 500mg/dayが開始となった。CTRX投与後に全身に発疹が出現し、CTRXによるアレルギーが疑われた。主治医より申請者へ相談があり、代替薬を検討した。治療対象菌種は肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、マイコプラズマは外せないと主治医と確認し、当院アンチバイオグラムを踏まえ、LVFX注射への変更を推奨した。なお、腎機能正常であることを確認し、500mg/dayを推奨した。その後7日間投与継続し、呼吸状態が改善、軽快退院した。なお、痰培養からは有意な細菌は検出されず、尿中の肺炎球菌抗原も陰性であった。(業務内容④)

⑥61歳女性、尿路感染症の疑いにてLVFX 500mg/dayの内服治療開始のオーダーが出た。申請者は過去の患者尿培養を確認し、LVFX耐性のESBL産生大腸菌の検出歴があることを発見した。主治医へ連絡し、当該菌が感受性であるST合剤へ変更依頼をおこない、変更となった。腎機能正常であることを確認し、投与量はトリメトプリムとして160mg x2回/dayを推奨した。その後、今回入院時の尿培養よりESBL産生のE.coliが検出され、感受性を確認し、引き続きST合剤の投与を推奨した。7日間投与後、軽快、治療終了となった。(業務内容④)

⑦整形外科の手術クリニカルパスにおいて人工骨頭置換術などの股関節手術におけるSSI予防抗菌薬がPIPC 2g/回であった。外科感染症学会のガイドライン、当院のアンチバイオグラムなどを参照し、CEZ 1g/回が妥当な抗菌薬であることを整形外科医に周知し、クリニカルパスの変更をおこなった。なお、体重に応じて80kg以上はCEZ 2g/回の投与を推奨した。
その後SSI発生率のモニタリングをおこない、クリニカルパス変更後1年間のSSI発生率は増加していないことを確認した。(業務内容⑥)

⑧CEZの注射製剤が供給不足となり、清潔手術関連の周術期抗菌薬を代替薬に変更する必要性が生じた。申請者は感染対策ガイドラインや想定される対象菌種を考え、第二選択をCTM、第三選択をCMZと設定し、該当院内クリニカルパスを改定した。薬剤ごとの半減期を考慮して術中追加投与の時間も薬剤ごとに設定し、術者・麻酔科医への参考とした。また、体重に応じた投与量(80kg以上はCTM 2g/回、CMZ 2g/回)を推奨し、クリニカルパスに反映させた。CEZの供給停止となっても問題なくクリニカルパスの円滑な運用ができ、適切な医療提供が継続できたと考える。(業務内容⑥)

⑨アクリノールの販売中止に伴い、申請者は院内で使用されている消毒薬の状況を調査した。産後患者の会陰部に冷却したアクリノールをあてている事例や救急外来にて創傷の消毒に使用されている事例を発見した。産後患者の会陰部に消毒薬をあてておくことは創傷治癒遅延の問題もあり、消毒薬の使用方法としては不適切と考えた。冷感を求めるのであれば生食などで対応することを提案した。また、創傷の消毒にはより殺菌力の強い、創傷に適した消毒薬であるクロルヘキシジンや塩化ベンザルコニウムなどが推奨される。関係している診療科へアクリノールの販売中止をアナウンスし、代替案を提示し、院内の消毒薬使用マニュアルの改訂をおこない、スムーズに処置方法を変更できるよう促した。(業務内容⑥)

⑩申請者の所属薬剤部は近隣の保険薬局薬剤師を対象として定期的に薬々連携をおこなっているが、そのテーマとして抗菌薬適正使用を取り上げ、講演をおこなった。基本的な感染症治療の流れや考え方を伝え、抗菌薬の選択におけるポイントを紹介した。薬局薬剤師は処方箋の薬剤だけが情報源なので、不適切使用の疑義照会は難しいものの、第三世代経口セフェム系薬剤など著しくバイオアベイラビリティーが低い薬剤の適正使用法や、当院のアンチバイオグラムを紹介することで代替薬の検討方法を伝え、積極的に抗菌薬適正使用に関与することを推奨した。今後は定期的に抗菌薬適正使用をテーマとして地域連携セミナーを開催していく予定である。(業務内容⑦)

以上、今回の申請の症例である。結果がわかったらまた報告したい。
(落ちてガックリの場合はすぐに反映できないかもしれないが)
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レジデントのための感染症診療マニュアル第4版

先日改定を知ったレジデントのための感染症診療マニュアル第4版を入手した。
昨日紀伊国屋書店のツイッターで第4版が入荷した旨のつぶやきがあったので、
さっそく本日、新宿まで走って買いに行った。
歴代感染症診療マニュアル.jpeg

新版は水色の装丁。ページ数も200ページ近く増量。
中も青系統のカラーリングで見やすい感じだ。

お世話なった歴代のマニュアルを並べてみると、厚みがどんどんと増し、
20年の歳月の重みを感じられる。
さて、第3版に書き込んだり、追加した情報を第4版に移植したり、
記載が更新されていればそれを確かめながら、明日の日曜日は過ごすことにしよう。
いやー、これからも勉強勉強と強く思いを新たにする書籍である。12000円+税。
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青木本、新版出来!

「レジデントのための感染症診療マニュアル」
言わずと知れた、臨床感染症界のバイブルである。
初版は2000年に青木眞が一人で書き上げた随一の感染症マニュアル。
多くの感染症に取り組む医療人をサポートしてきたこの本も
ついに第4版の出版である。

私が感染症に携わるようになった時には青っぽい色の第1版の時代だった。
青木本初版.jpg
それから第2、第3と厚みが増していき、第4版では一体何ページになっているのだろうか。

現在は青木先生一人ではなく、多くのお弟子さん(多くのエキスパート)の知を集結して
まとめられているようだ。青木先生の息遣いが感じられる記述が残っていることを期待しつつ、
読むのが非常に楽しみである。

そして、今年のBook of The Year(仕事の本部門)はどう考えてもこれで決まり。
今日新宿の紀伊國屋書店を見てきたら、まだ3版しか売っていなかった。
いつから販売になるのだろうか。楽しみである。
第1刷は誤植が多いのは言わない約束。後で書き込んで直す予定。
これもまた味わい深い工程である。
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