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Book of The Year 2019

今年ももうすぐ終わり。
今年の本を考える時期になってしまった。
今年もそんなにたくさんではないが、読んだ本の中で
本棚に残しておくべき本を紹介する。

今年はウンベルト・エーコの世界文明講義としたい。
正確には昨年の末に発売されたので、2018かもしれないが。
世界文明講義.jpg
この本は、薔薇の名前で有名なイタリアの記号学者で小説家の
ウンベルト・エーコが生前おこなった講演の内容を書籍化したもの。
エーコの博物学的な知識が縦横に溢れ、各章ごとにテーマはあるものの、
思いつく限りの知識とそのつながりを披瀝され、ただただ圧倒される。
「美しさ」「醜さ」「相対と絶対」「芸術における不完全のかたちについて」などなど
そそられるタイトルに対し、楽しく引き込まれつつ、
こちらの基礎情報や教養の不足を感じ、
まだまだ世界には知らなきゃいけないことがゴマンとあることを思い知る。
そしてまた知識欲が湧き上がるのだ。
薔薇の名前からはじまり、バウドリーノ、プラハの墓地、ヌメロゼロ、
完全言語の探究などを読んだが、エーコの著作は背景知識をすごく要求する反面、
知っているとすごく面白い、玄人好みの作品を書く。
日本版のエーコのような作品があればいいのにと強く思う。

さて、番外編はカルロス・ルイス・サフォンの風の影である。
風の影.jpg
古書店にまつわる小説が好きでジョン・ダニングなどをよく読むが、
サフォンはすごい。マニアが現れるとのことも最近知ったが、
「風の影」はミステリーとしても恋愛小説としてもかなり面白く読める。
すごくおすすめである。続編を読むのが楽しみでしょうがない。

番外編2は仕事の書籍であるが、
「がん診療スタンダードマニュアル」とする。
がん診療.jpg
実は発売日が12/27となっており、まだ購入していない。
が、必ず買うであろう。今までのがん診療UpToDateの改題改訂版とのこと。
これまでのは分厚すぎるし、組版が読みづらかったが、
新作は紙も薄く非常にコンパクト。仕事机に据え置いて普段使いに持ってこいである。
最も信頼のおける腫瘍内科医の勝俣範之先生の編集である。
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