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イミフィンジ バイアル規格が いけてない

肺がんに適応のある抗PD-L1抗体薬デュルバルマブ(イミフィンジ)は
放射線治療後の維持療法として肺がんに使用されている。
このイミフィンジを調剤していて気づいたことがある。
イミフィンジ.jpg

イミフィンジは体重あたり10mgの投与量で2週間ごとに投与する。
また、120mgと500mgの2つのバイアル規格が準備されている。
皆さんはとっくに気がついているかもしれないが、
混注をしていてあまり500mgの規格を使用することがないのである。
算数はあまり得意ではないので、深く考えたことがなかったが、
この度、秋の夜長に落ち着いて計算してみたら、
規格設定がひどいことに気がついた。

体重45kgから75kgの1kg刻みでの全パターンの投与量と
使用バイアル規格、余る薬剤量(ロス)を一覧表にしてみた。

体重 投与量 使用バイアル ロス
45kg 450mg 120x4 -30
46kg 460mg 120x4 -20
47kg 470mg 120x4 -10
48kg 480mg 120x4 0
49kg 490mg 500x1 -10
50kg 500mg 500x1 0
51kg 510mg 120x5 -90
52kg 520mg 120x5 -80
53kg 530mg 120x5 -70
54kg 540mg 120x5 -60
55kg 550mg 120x5 -50
56kg 560mg 120x5 -40
57kg 570mg 120x5 -30
58kg 580mg 120x5 -20
59kg 590mg 120x5 -10
60kg 600mg 120x5 0
61kg 610mg 500+120 -10
62kg 620mg 500+120 0
63kg 630mg 120x6 -90
64kg 640mg 120x6 -80
65kg 650mg 120x6 -70
66kg 660mg 120x6 -60
67kg 670mg 120x6 -50
68kg 680mg 120x6 -40
69kg 690mg 120x6 -30
70kg 700mg 120x6 -20
71kg 710mg 120x6 -10
72kg 720mg 120x6 0
73kg 730mg 500+120x2 -10
74kg 740mg 500+120x2 0
75kg 750mg 120x7 -90

このように、45−75kgの30パターン間で500mgの規格を使用する場合は
体重49,50,61,62,73,74kgの6パターンのみである。
道理で500mgの規格にお目にかかれない訳である。
これはパターン計算すれば事前に分かることなはず。
規格を設定したアストラゼネカの知性が不調だったと言わざるを得ない。

普通に100mgと500mgの規格にすることはできなかったのだろうか。
しかもバイアルのゴム栓が非常に硬くて針を刺しづらい。
今宵もアストラゼネカのお陰で多数のバイアルを使用して調製することになる。
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